2009年11月8日

レンガ造り

               煉瓦造の古い建物

神保町は仕事で時々通ることがありますが古い建物を見かけます。
これも煉瓦造のがっしりとした味のある建物です。
このサッシの装飾も凝っていて何かを守ろうとしているかのような重々しい雰囲気です。
なかなかいいですね。

神戸にも石造の建物が震災にもびくともせず残っていますが、それらの時代の建物を設計した古い設計事務所に勤務していました。
昔の話、卒業後初めて就職したところですが、そのときすでにかなりの年数を経ている由緒ある設計事務所で、二代目社長の下、村野藤吾らと同時代の世代の方々が上層部にいて、若い人を育てている優秀な事務所でした。

今はもう会社としてはないでしょうが、ただ、残っている建物はあり、行政が取り壊すという方針を出したときに、そのときの同期でもあり、模型つくりを生業としている友人らが保存活動を起こし、つい最近に保存されるに至ったと報告してくれました。

今思えば懐かしい昔のことですが、その頃の私の仕事といえば、完成した建物の完成予想図を描くことで当時は図面から透視図を起して絵を描くのと同じに透明水彩を使って彩色していくのでした。とても手間のかかる仕事で、一つの建物にかなりの日にちをかけていたと思います。
今はパソコンを使いCGなどですぐに出来るし、色や光の具合も自在です。

現場の仕事はきっと変わらないと思いますが、技術的に手で行う技術力を持つ人材が少ないといえるでしょう。
材料を使いこなせる人材を育てていないことが、伝統的な建物を建てたり、維持したり出来なくなっているとしたら残念なことです。
企業は先端のことばかりに力を注ぐことだけでなく、昔からの技術の継承をすることも平行して行っていくべきだと思います。
それが本当の意味で、いい企業であり生き残れる企業でもあると思います。

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